アカメ釣行記 ⑧2019年9月 四万十アカメとおっさんの涙

2021年10月17日 0 投稿者: kodama

2019年9月 最終日 

四万十大橋のアカメのモニュメント。
なんだかゲームでいう、ボス戦的な雰囲気を感じる。
 

彼?彼女?が見据える未来は。

アカメ釣りの将来はどうなるのか?

細かい話はあとにして、ポイントを選ぶ。

四万十川初のアカメ狙い。

ポイントが広すぎて狙いが定まらない。

浦戸湾のように安定してベイトがいて、橋脚などのストラクチャーがあれば集中できるが・・・

なんて思いながらぶらぶらとポイントを見て回る。

結局、教科書通りのポイントに入ることとしたのであった。

そのポイントには手長エビが多かった。

というか四万十川は手長エビだらけ。

アカメはこれを飽食しているのでは?

ヒロムは何やらジグヘッドを取り出し、チニングのような釣りを始めた。

そして、

ヌァ!
 

シーバス用ジグヘッドは一直線に伸ばされフックアウト。

アカメ恐るべしである。

自分は四万十といえば鮎だろうという勝手な先入観で、ひたすらヘビーシンキング仕様のジョイクロを投げ続けた。

そして・・・

ゴッ!

からの鬼アワセ。

そこまで大きくないことは判る。

然し、初めての四万十アカメ。

獲りたい。

ブイを慎重にかわし、ランディングに成功する。

75センチ。非常に綺麗な魚体だった。

過去、1匹が釣れなかった時間は何だったのか。
人生6匹目のアカメは過去一番小さかったが四万十で釣れたことが非常に誇らしかった。

ヒロム、次は君の番だ。ワームなんか小賢しいことをするな。っと激を飛ばす。

そしてポイントを移動。

何となく満潮のタイミングが良さげなポイントに。

そこには先行者の車が止まっているが、釣り場には見当たらない。

車で寝ているのだろう。

ヒロムと二人、ウェーディングで攻める。

早朝5時。なんだか水面で喰いそうだ。

必死にK-tenを投げた。

そうこうする内に、車で寝ていたアングラーが起きてきた。

挨拶を済ませ、並んで釣ることに。

そして事件が起きた。

ボゴッ!!

隣のアングラーに強烈なバイト。

四万十の流れに翻弄され、かなり厳しいファイトとなった。

水中の大岩に巻かれ、ギリギリを耐え忍ぶ。

頼む、切れるな。

見ているこちらも熱が入る。

ブイにも巻かれそうにもなるが必死に堪える。

そして浮いてきたのは120オーバーの綺麗なアカメだった。

御年40歳ぐらいだろうか?隣のアングラーは雄たけびを上げた。

震える手でボガを持ち、感極まっていた。

「おめでとうございます!」

「ありがとうございます!」

初対面でも幸福を分かち合える至福の時だった。

きっとまだチャンスはある。

自分はキャストを続けようとしたその時だった。

ウワぁ!

隣のアングラーが持っていたアカメが暴れた。

その拍子に、ボガが手から離れた。

隣のアングラーはウェーダーを着たまま必死に川に飛び込んだ。

然し、アカメは悠々と四万十川に帰っていったのであった。

掛ける言葉もなかった。

まだ写真も撮っていない。

そしてあのボガが決っている状態だと、いずれあのアカメは死んでしまう。

ボガはきっと外れない。

ビシャビシャになったそのアングラーの目には涙が光っていた。

あんなに可哀そうな釣り人を自分は見たことがない。

なんと表現すればいいのか。

最愛の彼女を自分の運転ミスで死なせてしまうような。

一生トラウマになるだろう。

ヒロムと自分はこのポイントを「おっさん泣き」と名付け、ボガの尻手ロープは必ず身体につけようという教訓を得たのであった。

【タックルデータ】
Rod:ワールドシャウラ ツアーエディション 1754(シマノ)
Reel:アンタレスDCMD XG Left(シマノ)
Line:アップグレードX8 PE 4号(よつあみ)
Leader:オーシャンレコードリーダー 80ld
Lure: ジョインテッドクロー178 改 (ガンクラフト)