2021年6月27日 クロマグロキャスティング

2021年6月28日 0 投稿者: kodama

ややばたばたしておりブログの更新が滞ってしまった。。。
今回は長文になります・・・

6月24日 山形でのクロマグロキャスティング挑戦3度目。

前日の情報では「早上がり」
つまりそういうことである。

船長から前日夜に急遽5時集合を伝えられ、期待が高まる中、不安も・・・
釣りには本当によくある、「前日は良かったのに」パターンである。

当日朝4時、いつもの日課であるトイレ掃除を済ませ、我が娘の寝顔に挨拶をしながら家を出た。

「雨、降ってないな」

前日の予報では雨だった。
ナブラは見つけづらく、誘い出しパターンを想定していたが、日頃の得積が功を奏したのだろう。
酒田まで30分。お義父さんの軽トラを飛ばして到着。

当日は船長の息子さんと愉快なお仲間さんにご厚意で混ぜて頂いた。
そもそも予約を取るのも難しく、且つ風次第ですぐに出船が危ぶまれるこの釣りはギャンブル要素が高い。
予約が取れて、出船できるその可能性は50%ぐらい?なかなかシビアであるが・・・
そこは育児休業中の身。


如何に家事育児ポイントを積み上げ、釣行交渉をするかが寛容であるが今のところは妻の審査も比較的緩めで助かっている。。。
否、予約が取れないから声が掛けられたら二つ返事でOKしてからの交渉なので半ば強引である。
その代わり、深夜のミルク当番、布おむつの洗濯(通称「ハルちゃんズ」がこべりついている)、お風呂、ミルクの授乳(母乳との混合)、ご飯の準備、洗い物、トイレ掃除等々は毎日こなしている。

話は脱線したが、何はともあれ出船である。
「今日も余裕で早上がり。昨日はポッパー系が良かったよ!」
と、船長の余裕宣言が余計に不安を駆り立てる。。。

港から50分、ポイントに到着。
安定のナブラなし。魚探のベイト反応と鳥と潮目をヒントに魚を探す。

「とりあえずこの辺で投げてみようか~」

誘い出しからのスタート。
実はマグロキャスティング童貞である自分には、どうも誘い出しで釣れるイメージが沸かない。

こんな大海原で17センチそこそこのルアーを見つけて水深20mから本当に突き上げてくるのか?
半信半疑な中、フィードポッパーの175㎜をぶん投げる。
タックルはいつもと同じ。
FishmanのBC4 8.3XXXHにリールはUSシマノのTranX500hg、PE8号を200m、リーダー170lb!

「ベイト」のキャスティングで「クロマグロ」を釣る。

いつからか、ベイトでの釣りが殆どになった。
クラッチを切る音が心地よく、ちょっとした工夫次第で飛距離が伸びる。
スピニングよりも飛ばす。
エアノットもなく快適な飛ばしていく。

「ドボーン」からのステイ3秒。

「ドボーン」・・・「ドボーン」・・・

「ボッコーン!」

「出た!!!」

隣に。
安定である。
ポッパーからの距離10m。

隣のヘッドディップ175に猛烈なバイト。
内心は悔しい。

然し、初めて誘い出しで出る瞬間を目の当たりにし、初めて同船者が良型のマグロとファイトをしているのを見ているだけでもハラハラドキドキする。。。

ファーストランをいなし、どんどん巻き上げる様を見て思ったこと。
「案外大したことねーな」

30kgを優に超える目方であることを確認して船長が銛で一突き。
ドドーンと船中1本目が上がる。6時頃の出来事である。

これで一気に誘い出しのイメージが沸いた。

その後、場所を小移動。
すると、船の周りをイルカショーが如くマグロが跳ねた。
出るぞ、出るぞと浮き立つ船上。
妙な緊張感が張り詰める。

「出た!」

今度は船長の息子さんのガンマにである。
もう、ポッパーを信じられなくなった自分はすかさずシマノの力作、フラッシュブースト搭載のヘッドディップ175に切り替える。
ステイの時間が長い中、この煌めきは人間側の信じる気持ちを高めてくれるのは間違いない。
間違いなく人間を釣ることには成功しているルアーである。

バブルディップのフラッシュブースト仕様、新作ヘッドディップ140の同仕様も人気過ぎてプレ値が付くほどである。超大手メーカーのプラスチックルアーが定価の倍近い値段で取引されるなんて・・・

船中二本目が難なく上がったところで4人のチャレンジャーの内、2人が幸せになっている。
つまり1/2が引けていない。この時8時を少し廻ったころであろうか。

船長曰く、
「動かし方があっていても、結局は運。釣れるときは何をしても釣れる。」
釣りとはそういうものである。

残された二人は仲良くミヨシで竿を振る。
最後の1人にはなりたくないな~なんて盛大なフリをかましながら、まさか自分がそうはならないだろうと・・・
いやでも自分に言い聞かせながら延々と投げ続ける。

ベイトでのキャスティングもすっかり慣れたもので、この日はブレーキブロック0での遠投もキマリ、ほぼ無風でも80m 近いキャストが決まる。追い風なら優に100mは超えるだろう。

何てキャストを楽しみながら投げていたその時。時は不意に訪れた。
ルアーの近くに魚の気配を感じ、アクションさせた瞬間だった・・・

「ジュボ!」

来た!乗ったか?緊張が走る。少し船方向に走ったのか、ラインがふけるのを必死に巻き取りとにかく初のマグロの走りを警戒しながらも巻けるだけ巻こう作戦を開始する。

「バッシャーン」

豪快なエラ洗い。さすがである。うん。
マグロはエラ洗いするのか?うん。

それはメータージャストのシイラであった。
シイラと分かった瞬間の落胆はあるが、一気にゴリ巻きで寄せる。
船べりでは激しい抵抗にあうもロッドのパワーで止めきる。
さすがにブッコ抜きは難しそうだと船長がタモいれ。



立派なシイラでメーター越えは初となった。
船の上では大暴れ。フックを外すのもなかなか難しく、そうこうしている内に弱ってしまった為、お持ち帰りとすることにした。

ボウズは逃れたものの・・・

一人1Hitの中、マグロではなく自分だけシイラフィニッシュの可能性も出てきた。
時は10時過ぎ。気持ちは焦る。

体制を立て直し、マグロがまだの二人はまたまた仲良くミヨシでキャスト。

11時を過ぎて、暑さも増してきた。

「あ~ルアーの片目が取れた・・・釣れる気が・・・」釣れないよしみで仲良く談笑。
確かにルアーの目が取れていると何となく釣れない気がする。。。

どかーん!!

ボケっとしていた二人に衝撃が走るも束の間、片目のルアーを投げていたお隣さんにバイト。
しっかりとフッキングし、これも難なくキャッチ。
ここまで船中3本。3/4 。75%。天気予報なら確実に雨に降られる。
そんな引きを外し続けて、とうとう最後の一人になってしまった。
この時、11時を廻っていた。

いつもは大体先頭打者HRで余裕をかましてヤジ係なのだが・・・
最後の一人というこのプレッシャー。全員釣れたら早上がりというプレッシャー。

盛大なフリをかましていた自分を恨めしく思いながら、魚っ気がない海にルアーをキャストを続ける。

同船者の方々も、お昼寝したり、談笑したり。。。勝者の余韻に浸り、最高の休日を満喫している。
早く幸せになりたい・・・

人生は回り道。
次回の乗船はいつだろう。
いつになったらこの手でクロマグロを抱くことができるだろうか。
この試練はいつまで続くのだろうか・・・

何てことをボーっと考えていると・・・

ドバーン!!

船から20mもないくらい。
はっきりマグロが跳ねたことを認識できる、まるでイルカのような放物線を描く特大ジャンプを目の当たりにした。

まさか、、、
ミスバイトか・・・

やってしまったのか・・・

走らないラインを念のため巻きあげる。
ほぼ無意識。
声も出ない。

「ズルズルズルズル~」

ドラグ音のないベイトリールのドラグが引きずりだされた。

「キターーーーーーーーーーーーーー」

船上の全員が、まるでアニメのワンシーンが如く叫んだ。
ここからは未経験の、ベイトタックルでのやり取りが始まる。

「ヌア~~~~~~」「Fu~~~~~!」



未だかつて経験したことがない重みを全身で感じながらファイトする。
3分で上げたら焼肉をおごってくれるという船長の息子さんとの約束も脳裏浮かびながらファーストラン終了からガンガン巻く。。。。

止まる。。。

巻く。

止まる。。。

3分はすぐに経過。焼肉が消滅する。
「ゆっくりでいいから確実に!」
船長の激が飛ぶ。

10分で少し魚体が見える。も、一気にラインを引きずりだされる。
ドラグはまだまだ締められる余裕があるも、指ドラグで滑らせながらのファイト。

これは初めてのクロマグロファイトであることと、ベイト特有の滑らかではないドラグを信じきれないが為である。
強めのドラグで一気に走られたらどうなるのだろう???という不安もある。

周り一帯に奇声を轟かせながらファイトするもなかなか上げることができない。
後で動画を確認した際に判明したが腕でファイトをしていた。
これでは体力を消耗するばかり。

巻いては走られ巻いては走られを繰り返すこと30分・・・

精魂尽き果てるのではと思ったその頃、漸くキャッチすることに成功した。
120センチ35キロ。
長さでは当日一番?二番?のGoodサイズ。
久々に脳汁が分泌された。1ケ月はニタニタできる脳内麻薬をキメながら、記念撮影。



自分で盛大なフラグを立て、シイラという笑いを提供し、最後のプレッシャーの中でドラマ的に釣るという、一人芝居を演じきることができた。
一部始終はバッチリ動画に残り、編集後Youtubeにアップされるとのこと。

あ~本当に幸せである。
課題も見つかった。
やはり、スキル不足で寄せたマグロを上手く廻すことができず、クラッチを切って対応したことで、無駄に走られてしまったのではないかと思う。
ロッドとドラグを信じてもっと強気で上げられたのではないか?
ファイト時の姿勢。
腕を伸ばしてのファイト。
筋力不足?による腰痛。。。
等々、次回に生かしていこうと思う。

ベイトタックルの可能性はまだまだある。
このタックルで50kgまではイケるのではないだろうか。
PE8号が200mということもあり、例えば100m投げた先でいきなりHit!
とかが発生すると少しヤバい?可能性はある。
ただ、TranX500HGのドラグは相当強いので、人間様が鍛えておけば凡その魚は揚げれるだろう。

以上、これからも益々精進していきます。